5月18日~20日博多で開催された日本耳鼻咽喉科総会に参加してきました。
表題の日耳鼻=日本耳鼻咽喉科です。業界用語ですいません。
鼻科学会、耳科学会といったもっと深い専門的な学会ではなく、より広く耳鼻咽喉科を網羅した学会という感じでしょうか。
色々とお勉強してきましたが、今回は学術的な内容ではなく機器展示のレポートをしたいと思います。

オリンパス4K VISERA ELITE III

新発売のオリンパス4K内視鏡システムの展示がありました。
気になる画像の出力を(無理やり?!)拝見させていただきました。
12G-SDI、4K-Quad(3G x 4)、3G/HD-SDI x2です。3G/HD-SDIはレコーダー出力もあるので実質3つ?
出力に関しては既存のモニターや記録装置を生かすためにも、SDIだけでなくDVIが欲しかったところ。あとはちょっと本体のサイズが大きいかな~。
画質に関しては、実際に手術で使ってみないと全く評価できないのでわかりません。
個人的には日の丸企業に頑張ってほしいので、応援しています。
デモをする機会があれば、また評価したいです。

NeilMedのSmell Restore

嗅覚刺激療法の為の匂いスティックのセット(未発売)。4種類のセットで3000円程度の予定だそうです。Cloveが日本人に馴染みのない匂いなので、担当の方もどうしようかと少々頭を悩ましておられました。とりあえず、お値段も手ごろだしコンパクトにまとまっているので良い製品だなという印象です。

セオリアの点耳薬コムレスク

耳の局所の治療につかう抗菌剤の点耳薬コムレスク(未発売)。新しい点耳薬は数十年ぶりじゃないでしょうか?端的に言うと抗菌剤の濃度が高い。期待しています。

フジタ医科器械の鋼製小物

深部の縫合を補助するデバイス。
なくても困らないものですが、個人的には凝った作りで好きだなぁ。
良いギミックしています。お値段は高くて30数万位?
耳鼻咽喉科の手術や処置で使う鉗子類は、職人不足により質が著しく低下傾向にあります。
さらに戦争の影響による金属不足で、そもそも鉗子が作れないという危機的な状況です。
そんなお話を担当の方と話をしました所、何とかなるかもしれないとお聞きしました。
何か鉗子を作れそうかお願いしてみようかな。

日機装のAcrosurg.

電子レンジの原理で、出血を止めつつ切除する機器です。
鶏肉で試しましたが、皮の部分もストレスなく切開できました。
ただ、鼻や耳に使うには太すぎ・大きすぎなので、細いバージョンが発売される事を期待。

MedtronicのNOVAパック

鼻副鼻腔術後のパッキング材料です。
術後には止血と形態保持を兼ねて鼻内に何らかの医療材料を留置し、後日一般外来で抜去する事が多いです。
このNOVAパックは最終的には「加水分解されて、抜去する必要がない」というのが触れ込みです。
最近のはやりでしょうか、「加水分解」系統の(?)商品は多数発売されています。
「抜去する必要がない」」と聞くと良いように思えますが、そうは簡単にはいかないのが実際の臨床現場です。
この新しいNOVAパックがどんな感じなのか気になります。

Sanofiの嗅覚障害疑似体験コーナー

嗅覚に問題がないか疑似体験。3種類の匂い「海辺 糸島(海)」「中州屋台(ラーメン)」「篠栗 九大の森(森林)」。そして私は間違えました。嗅覚は正常なはずですが・・・

そんなこんなで、他にも色々と見て回ったのですが、ちょっと気になったブースのみ記載してみました。偏った内容でスイマセン!参加できなかった方の参考になりましたら幸いでございます。
来年は大阪で開催です。

院長 金子敏彦(かねこ としひこ)