内視鏡の世界は4K花盛りで、多くの製品が発売されています。
今回ストライカーの4Kシステム(1688 AIM 4K Platform)をお試しさせていただきました。

1688 Camera Control Unit (CCU) 

1688 CCUの正面です。液晶パネルがついており本体のみで色々と設定/操作ができます。
私の使っているストルツは本体では操作できず、映した画面で設定を行います。
メーカーへのリンクはこちら

1688 CCUの背面です。
画像の出力は「HDMI x2 のみ」です。ある意味これが決定的な特徴かもしれません。
他はシステム全体をコントロールする「Connected OR Hub」とつなげる端子や、LED自動調光のコネクターなどがついています。
本体サイズは奥行が少々長いかな(公称 幅:33.02cm 高さ:11.32cm 奥行:42.23cm )。

1688 Camera Head

私の使っているstorz 4Kのカメラヘッドと比べてみました。
サイズはストルツよりコンパクト。
カメラケーブルの太さはストルツの方が細いです。
とはいえストライカーのケーブルが太いというわけではありません。
太すぎず、細すぎず。取り回しは良いと感じました。

手で持ってみるとStorzの方が軽く感じますが、実際に計測してみるとヘッド自体の重さはビックリするほどほぼ同じ。ケーブルが細いのでStorzの方が軽く感じるのかもしれません。
ズッシリ重たいカメラヘッドは手術中ジャブのように疲れてきます。
軽いカメラヘッド、取り回しの良いカメラケーブルというのはとてもポイントが高い。

今回のセッティング

上から順に
Connected OR Hub」システム全体をコントロールしたり、動画記録する機器
1688 Camera Control Unit (CCU) 」4Kシステムの本体
「LED 光源」システムとつなげて自動調光できます。
「ナビゲーション」新発売の手術ナビゲーション。こちらも今回デモしています。

アメリカ製らしくハーレーダビッドソン並みのイカツさです

こちら手術が始まる前の様子。
内視鏡を映すのはストライカー純正の32インチ4Kモニターです。
なんと液晶モニターも自社開発しているそうです。
いつも使っている天吊りモニター(storz)を上にあげてナビゲーション用モニターとして使いました。
磁場式ナビゲーションの磁場発生装置などもついて、ごっつい重装備になっています。

画質の感想

今回、本体、モニター、硬性内視鏡すべてストライカー純正で使わせていただきました。
過去にもブログで触れている通り、多くのシステムはモニターなど含め全体としていい画質が出るように調整されているものです。納品後、術者の好みに合わせて微調整を加えて画質を追いこんでいきます。
よって1回のデモで良い悪いを論じるのはとても難しいものです。その点を頭に入れつつ・・・

手術は必ずある程度出血しますので、赤色は手術のクオリティーにモロに影響します(と私は思っています)。
術野において「いい赤色」を出すのはとても難しいのですが、良い赤色が出ていました(これ重要です)。
Storzに比べると白のハレーションがやや目立ちました。
奥のほうが暗いと感じました。調光か画像処理の問題?
私の目では全体的にデジタルっぽい画像に映りました。
しかしながら、この辺は好みかな。調整の問題かもしれません。

まとめ

画像出力がHDMI x 2というのはかなり大胆な決断だと思います。
StrykerはHDMIで行くぞ!という決意表明を感じます。
SDI出力や、DVIがあった方が便利ですが、何とかはなるかな。
既存の機器に1688システムを組み込むならばネックになるかもしれません。
ただHDMIという規格は長尺になるとトラブルが多くなります(10m以上と言われます)。
天吊りモニターアームを使っている私は長尺のケーブルが必要なので、少々気になります。

画質に関しては、デモですので私の好みに調整する時間が限られています。
ですので今回のデモのみで画質の「良い・悪い」を言うのはあえて控えます。

上記の標準的なデモの他、モニターを変えてみたり、硬性内視鏡のメーカーを変えてみたり、ケーブルを変えてみたり色々と試しています。
ご興味のある耳鼻咽喉科の先生がおられましたらご連絡くださいませ。

大量の機材運搬大変だったと思います。
デモしてくださったストライカー社の皆様ありがとうございました。
一緒にデモしたナビゲーションシステムの詳細はまた折をみて。

さて。ようやくすべてのメーカーの4Kをデモしたと思いきや、、、、
一番始めにデモをしたオリンパスから新製品が!チャンスあればデモしたいと思います。

院長 金子敏彦(かねこ としひこ)