緊急事態宣言が開け、学術的な研究会の動きも活発になってきています。
昨日10月30日、デュピクセント講演会で講演してきました。
実はこの講演会は今年1月に開催予定でしたがコロナウイルスの影響で、延期に次ぐ延期で今になりました。

同じ会場で16:00~講演会開始まで、日帰り手術研究会を行い、日帰りオペレーターの面々と久しぶりにお会いして、様々な症例検討をしました。
話題は尽きず、2時間はあっという間に過ぎてしまい、時間切れで終了。
私もネタを用意していましたが、次回にでも話題提供する事にします。
また早々にやりたいものです。

講演会では、「金子耳鼻咽喉科でデュピクセントを使用している30症例」に関して話題提供しました。
私の講演はさておき、講演会全体的にとても内容が濃く、スキルアップできたと感じます。

デュピクセントは耳鼻咽喉科領域で昨年2020年4月より適応となった薬です。
主に難病である好酸球性副鼻腔炎の患者さんに使う生物学的製剤です。
生物学的製剤は比較的新しい薬で、高価ですが絶大な効果があるので大きな話題となっています。
ただ新しい薬となると当然未知の事が起こりえるわけです。
延期された講演会でしたが、適応開始より約1年半が経過して様々な知見が集まっており、結果的にちょうどよい時期に開催されたと思います。

薬の効果は絶大と申しましたが、皆がこのお薬だけでスッキリというわけではありません。
好酸球性副鼻腔炎の治療戦略として、すべての副鼻腔を徹底的開放する単洞化手術の重要性もあたらめて確認できました。

新しい知識、注意点等、気を引き締めてやっていきます。
9月に発表した鼻科学会でも感じましたが、やっぱり対面でする勉強会や学会はいいもんだな…
web開催と比較して、知識の増え方が格段に違うと実感します。
当院の看護師2名も参加してくれましたが、同じように感じたんじゃないかな?

コロナの影響で人流を抑制せざるをえない状況で、リモートワーク、オンライン授業、ネット通販等、盛んに叫ばれたこの1年半でした。
インターネットは使いようですが、それだけではモノの見方が一元的になってしまう様に感じます。
情報も物も手に入りやすくなりましたが、
リアルな勉強会での人との交流、お店に行って発見する本やレコード。
これらは心を豊かにしてくれます。
人が動き出した今、対面の大切さに改めて気づかれるのではないでしょうか。

院長 金子敏彦(かねこ としひこ)