先日、金沢で行われた日本鼻科学会に参加してきました。
医療機器展示会場で色々見てきたのですが、4K内視鏡システムを各社展示されていました。
内視鏡は総じて4K時代になったのかなという印象です。
これまでKarl Storz(ドイツ:当院採用)、オリンパス(日本)、ストライカー(アメリカ)の3社が4K市場のメインでしたが、今回新製品のニスコ(日本)とアダチ(ドイツ)の4Kシステムの展示がありました。

学会展示会場にて

ニスコは発売前に当院で製品評価のデモした経緯があります。発売されたのだな~と感慨深い。
当院で採用しているアダチの製品はないのですが、いつも色々な情報提供や製品デモで懇意にさせていただいています。そういう経緯もあり、新しいアダチの4Kのデモの約束をしました。

気になったのはこの製品。sonyの嗅覚検査装置(NOS-DX1000)。
T&Tオルファクトメータという嗅覚検査は、周りに結構な匂いが充満し手間もかかるので診療所でやるのは大変なのですが、その辺を解決した機器。嫌なにおいをばらまくことなく、とてもスマートに検査できます。発売は来年のようです。さすがsonyが作るとスタイリッシュです。ロゴがカッコいいですね~

アダチ(シェリー)4K製品レビュー

さて、学会のあとさっそくアダチからデモ依頼がありお試ししています。
アダチのロゴがついていますが、中身は日本製ではなくドイツのSCHÖLLY FIBER OPTIC GMBHの製品です
サイズは公称295(W) x 129.5(H) x 355(D) mm。高さはありますが、そこそこコンパクトな方かと思います。

面白いのは前面にUSBの差込口があってこの本体だけで録画ができます。録画の解像度は2Kですが、きれいに録画されていました。当院で使っているストルツの4Kにもおまけ程度の録画機能がありますが実用性には乏しく、アダチの録画機能は他社製品と差別化できる点だと思います。ただし長時間の動画記録はファイル2GB(約26分)をマックスにして分割記録されてしまいます。

4K(UHD)はQuad 3Gで出します(背面右上)。そのためモニターとの接続はBNC x 4本です。
これは少々つらい。一本で済む12Gに対応したかったところ。
他、2K(HD)出力が4つあります(3G-SDI x2、DVI x2)

カメラヘッドは少々ずっしり来ますが、手術中に支障がでるほどではなく、特に気になりません。フォーカスは手動で被写界深度は十分に深いです。この点良い感じにまとまっています。

持ってこられたモニターはソニー製でした。このモニターは赤が強く、個人的には好みではありません。
赤が強いと術野が見にくくなってしまいます。しかしながらQuad 3Gの入力のあるモニターを私は持っていませんので、このモニターでテストさせていただきました。

以上、簡単ですが、久しぶりの製品レポート書いてみました。
手術で使った印象をお聞きになりたい耳鼻咽喉科の先生がおられましたら、どうぞご連絡ください。
これで、あと試したことのない4Kシステムはストライカーのみになりました。機会があれば試してみたいですね。

院長 金子敏彦(かねこ としひこ)