4月29日水曜日~5月7日木曜日、ゴールデンウィークで休診中です。
新型コロナウイルスの影響で息が詰まりそうな状況がつづいています。
GWも半ばになり、思ったことを少々整理したいと思います。

私は医師ですので科学的な根拠を持った情報を集めるように努力しています。
「病気を正しく理解する事」がとても大事だと思います。
「漠然とした不安」も良くないし「何となく安心」も同じく良くありません

マスクはいいけれど、、、「接触感染」対策は?

マスクをして「何となく安心」
手袋をしたので「ダイジョウブ」
家を一歩出たら「ウイルスがうじゃうじゃいる気がする」

こんな風になってませんか?
「Stay Home」「3密」をさける。皆様おなじみのこの言葉。
わかりやすくお伝えするためだとは思いますが、、、
ウイルスがそこら中に飛んでいて、感染するわけではありません。

結局「飛沫感染」「接触感染」対策が大事であることをお忘れなく。
一生懸命マスクはしているけども、不思議なほど「接触感染」に無関心な方が多いと感じます。
妙な感染対策グッズが氾濫していますが、首をかしげる製品ばかり。
「物を増やす」=「感染機会が増える」事をお忘れなく。
感染対策に過剰なものは不必要。理解してポイントを押さえればよいのです。
「飛沫感染」「接触感染」この2つです。
厚労省:新型コロナウイルスを防ぐには
要するに「手を洗う」

コロナがどのように感染するのか?丁寧に解説してくれているビデオを紹介します。
懇意にしている阿倍野区の某先生に教えていただきました。
端的に言うと「顔を触るな」

接触感染対策に(その1)

・手を洗う
・顔を触るな

新型コロナの消毒効果が期待できる市販製品

皆様にお役立てそうな情報を一つ。
アルコールがなかなか買えなくてお困りではないでしょうか。
薄めすぎにはご注意を。
スーパー等で買える物で、コロナ対策に使える製品です。

接触感染対策に(その2)

現在の診察の状況

サービス業と違い、我々はある程度患者さんを診る必要があります。
医院を開けるからには、皆様に安心して受診していただく診療体制をとる必要がある考え、4月中旬から院内トリアージを行っています。

院内トリアージとは、
「患者さんの診察前の待機場所を、症状によって振り分けるという事です。
医院の入り口にて、来院される方全員に、問診、体温測定を行わせて頂いています。
診察自体の場所も分けることがあります。

「接触感染」防止の為に、
診察室入り口で「手指アルコール」、お帰りの際も「手指アルコール」
入り口では、来院した患者さんの手指にアルコールをこちらから噴霧しております。
ご協力よろしくお願いいたします。
また、当院はクレジットカード、電子マネーに対応しておりますので、どんどんお使いください。

一部の処置や検査にも制限があり、なかなか診断に苦慮することも多いですが、何とか良い診察ができるように頑張ります。

手術再開に向けた動き

当院では鼻副鼻腔の手術が4月6日から中止になっています。
「無症状の患者さんから医療従事者への感染」の可能性が高いという理由で、
全国的に鼻副鼻腔の手術が出来なくなっているのは、以前にお伝えした通りです。
詳細は省きますが、これまでに過去の報告の間違いや新しい知見などもあり、
「手術室での医療従事者への感染は当初恐れられていた程ではない」という方向になってきていると感じます。

4月6日に発表した日本耳鼻咽喉科学会の手術ガイドラインにおいて、
新型コロナ流行地域では「PCR陰性」「胸部CT所見なし」を確認した方がよいとの考えでした。

その後の4月21日、新型コロナの知見が増えて、日本医学放射線学会が提言をしています。
「COVID-19(新型コロナ)のスクリーニング検査としてCTを用いることは推奨しない」
とその中で明言しています。
つまり、「無症状の方への新型コロナ感染の判断に、胸部CTはオススメできない」という事です。これはアメリカでも同様の見解です。

すでにアメリカの知人が勤務している病院では、今週になって新型コロナの確認は「PCRでの陰性確認」のみとなり、手術を完全に再開しています。
日本での再開の見込みは、まだ全くわかりませんが、少なくとも他国で動き出していることは、とても明るいニュースです。
当院では手術が必要な方、100人程に影響が出ています。
ましてや、日本全国となると大変な数です。このままで良いはずがありません。
日本でも、新型コロナ流行期には「PCRでの陰性確認」の上での手術という方向になるかもしれません。
とにかく、凄いスピードで新たな情報が出てきます。
GWが明けると、手術再開に向けての議論が全国的に活発化するのではないでしょうか。

最後にどうしても言いたいこと

皆さま「マスコミのもっともらしい扇動」にはくれぐれも騙されないようご注意を。
知らず知らずのうちに毒されていきます。
新型コロナは「正しく理解して恐れるべし」
煽りは、パニックやヒステリー状態を引き起こし、医療崩壊、いや「社会崩壊」を招きます。
捻じ曲げられた報道に関して、言いたいことは沢山ありますが、、、本日はこのくらいで。

院長 金子敏彦(かねこ としひこ)