前回の枕のお話は意外に好評でした。
気を良くして、第2弾として当院で使っている手術用枕をご紹介いたします。

ある程度長時間の手術になると術後性脱毛が問題になります。
術後性脱毛とは、主に手術用枕による「頭部の床ずれ」で髪の毛が抜けてしまう事です。
私が病院勤務していた頃は少々固めのドーナツ型の円座が多く、術後性脱毛は通称「円座ハゲ」といわれていました。
通常は自然治癒しますが、避けたいトラブルです。

当院の鼻の手術の多くは1時間~2時間半程ですが、状態の悪い副鼻腔手術となると4時間程の長時間になる事もあります。
手術中は鎮静薬をかけますので、手術中は殆ど寝ておられます。
まさに「円座ハゲ」のリスクです。

そこで開院の時に選んだのが、定評あるアメリカAction社製のCONTOURED HEAD PADです。

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適度な弾力性があり柔らかすぎず、頭の位置の固定もしやすいです。
寝不足気味ですと、心地よくて眠たくなってしまいます。

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同社の説明を見ますと、「AKTON® Viscoelastic polymer」 なる素材にミソがあるようです。
直訳すると、「AKTON® 粘弾性高分子化合物」
なんだか凄そうです。
見た目はゲル状だが、漏れたりしないし、修繕可能。クリーニングもしやすいと。
修繕方法の動画(下記)では、「高分子化合物」の質感が伝わります。
「AKTON® 粘弾性高分子化合物」の枕のおかげでしょうか、開院以来「円座ハゲ」はありません
いい製品をありがとうございます。

現在、手術用枕にはテンピュール素材など、新しい製品が色々出ているようです。
どれが良いのかはちょっとわかりませんが、たかが枕といって「安モン買いの銭失い」にならないように。
ちゃんとした品物を選びましょう。

院長 金子敏彦(かねこ としひこ)