粋なプレゼントが届きました。
「オペレーターの腕の支えになれば、、、」と届いたものは「吸引管」です。
要は血液や組織などを吸う金属の棒です。
血液などの液を吸引するだけでなく、組織を保持したり、移植片を動かしたり。
特に顕微鏡下の手術では微妙な操作が必要です。
すべての道具はオペレーターの指先です。
一口に吸引と言っても、少し吸引したい時から大胆に吸引したい時まで、無断階の幅があります。
このへんは感覚的な事なので経験が要求されます。
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、実は「吸引したくない」という局面も多々あります。
つまり、全く吸引しない(吸引力ゼロ)状態から、無断階に微妙な圧調整ができる吸引管が理想です。
大変わがままな要求ですが、これに答えてくれるのがこの「フジタ医科器械」の圧調節式吸引管です。
有名な脳神経外科医の福島孝徳先生が開発された「涙型」の側孔を持つ吸引管です。
涙型の側孔上で指を滑らせて、吸引圧を調整します。
大変微妙な吸引圧調整が可能で、開放した時の吸引圧はゼロ。
棒の部分は自在に曲げることが可能です。
横から見ると、側孔の部分が微妙に湾曲していて指に馴染みます。
指先の感覚を大事にしている吸引管であることが良くわかります。
見た目、触った感じ、使った感じ。全てにおいて、正に日本人のクラフトマンシップを感じる「職人の道具」ですね。
写真の上2つの吸引管が今回プレゼントしていただいたものです。主に耳の手術に使用します。
下の2つは「脱着式イリゲーション付き吸引管」というもので元々私が持っているものです。色々応用は出来るのですが、主に鼻の手術に使用します。
手術にオペレーターの腕が重要であることは当然ですが、道具一つで手術の質は上がります。
良い手術の機械に巡り会えた時はテンションが上がります。
大切に使わせていただきます!
院長 金子敏彦(かねこ としひこ)