耳鼻咽喉科は処置する科目です。
処置するため色々な鋼製小物・鉗子を使います。
特に手術では一般外来とは比較にならないほど、大量の鉗子を使います。

金子耳鼻咽喉科の移転に合わせて、高性能な器具洗浄・消毒機’(ジェットウォッシャー)を導入しました。
導入前は性能が未知数で、本当に器具を洗浄できるのかどうか…
と疑いながら、どうせなら中途半端なものではなく、良いものを。
大きな病院の手術室にも導入されている機種です。
これでダメなら、すべてダメさ!

jetwasher

これが、噂の(?)器具洗浄・消毒機です。
そこらの食器洗浄機ではありません、ドイツ製ミーレの医療用器具洗浄機です。
Miele ジェットウォッシャー PG8592 全自動洗浄・消毒装置(乾燥器付)

jetwasher_open

このようにガバッっと、前に開きます。
トレイを6つ収納できるように構成しました。

tray

トレイに使用済みの鉗子を、並べています。
あとは、閉じてボタンを押すだけ。

蛋白除去・洗浄剤は別のタンクから自動的に投入されます。
そればかりか、潤滑防錆剤(ミルクと呼ばれます)も自動的に投入されます!!

ミルクがあるのとないのでは大違い、鉗子の動きがスムースになります。
さらに、乾燥までやってくれます。
最後は自動的に電源offとなり終了。
まさに全自動です。

その洗浄効果は、、、素晴らしい!
細かいところにまで入り込んでいた組織片もすべてなくなり、
ピッカピカになります。

【Before: ジェットウォッシャーなし】
タンパク除去剤につけこみ。
鉗子に入り込んだ組織片を様々な手段を使って除去。
ミルク(潤滑防錆剤)につけこみ。鉗子によっては霧吹きで細かく吹きかける。
手洗いで鉗子一本一本洗浄。
乾燥機で乾燥。

【After: ジェットウォッシャー導入後】
機械にほりこんで、ボタン一つで出来上がり。

しかも仕上がりが極めて良いとなると…
何も言うことはございません。

汚れた鉗子の洗浄は、「処置をする科目(外科系)」では絶対必要です。
器具の手洗い洗浄は、どの耳鼻科でも「あたりまえ」と思われている仕事です。
しかし、この器具洗浄機はこの概念を根本的に変えます。
導入前の疑いの目は何処へやら。
金子耳鼻咽喉科では、鋼製小物・鉗子類の洗浄はミーレにお任せです。
職員の洗浄作業はなくなり、ほかの業務に集中できます。

少子化により、どんどん働き手が少なくなっている日本。
器具洗浄機は 外科系診療所運営の命運を担うかもしれません。

院長 金子敏彦(かねこ としひこ)