変わってしまった鉗子 -その3-


5月31日~6月2日は日本耳鼻咽喉科学会に参加してまいりました。
今回の学会では関東の先生を中心に、全国色々な先生と顔見知りになることができ、大変有意義でした。
このブログを参考に物品を購入している先生が何人かおられて(!)声をかけていただきました。
学会では器械展示がありを色々見てきましたが、ピンとくるものはあまりなかったかな…

さて、新旧鉗子対決・第3弾。
今回は後端鉗子・高橋(良)氏でございます。

後端鉗子は曲者です


上:新バージョン 下:旧バージョン

後端鉗子はヒンジの位置や先端形状の形状で、使い心地がかなり変わります。
というわけで、かなり曲者の鉗子です。
開院時に購入したときも各メーカーのものを徹底的に比較して慎重に選びました。
私の使っているのは永島医科器械のものです。
今回、追加購入した後端鉗子も同じメーカー・型番ですが、やはり形状は変わっていました
とはいえ3年前とは違って、現在は職人不足のため「実物を見て購入」という余裕はありませんが…


写真の様に、主に横に出た組織を切除するための鉗子です。
向きの違いがあるので、左右セットで購入しています。写真のは「右」です。
大きく開いてくれることが大事で、ヒンジの位置が鉗子の先端の方にあると大きく開きません。
そうなると組織をかめず、手術の効率が一気に落ちます。

職人技を感じる先端形状


旧バージョンの鉗子の先端です。カップ状にくり抜いてあり、職人さんのこだわりが見て取れます。


新バージョンはくり抜きがなく、平べったいまま。
受ける側の加工もずいぶん違います。
曲がった部分の加工は、難しいんでしょうね。
旧バージョンも新バージョンも職人さんの手作業が入っているのがよくわかります。
この様な職人技は海外の鉗子では見られません。日本製独特で個人的には好きな部分です。

紙で試してみました。


左:新バージョン 右:旧バージョン
新バージョンのほうがヒンジの位置が先端より離れており開きが大きいです。
実際の使い心地もより深くまで切除でき、良い感じです。

新しい鉗子も良い

というわけで、深く切除できるため新しいバージョンの後端鉗子は悪くないです
ただし、鉗子を閉じる時の「パチッ」とした”かみ合わせ”は旧バージョンのほうがよく、新バージョンは「パチッ」としません。
こういった部分が、長持ちするかどうかの分かれ目になるのかもしれませんが、現時点ではわかりません。
他、新バージョンの持ち手の部分は、ちょっとゴツゴツしていますが、、、慣れるかな?

長持ちする使い心地の良い鉗子。それが求めるものですね~。

院長 金子敏彦(かねこ としひこ)